01 06 2000
パドックジャケット(K2501)&【バイクに求められる防寒ってなに?】
去年年末(12月30日)に取り寄せを頼んでいたジャケットが入荷した。バイク用品ショップで冬もののジャケットを物色している時、このクシタニの『パドック・ジャケット』を見て、一目惚れ。すぐに袖を通してみたが、店内にディスプレーしてあったのは、サイズがLで、私にはちょっときつかったのだ。そうでなくても、クシタニというメーカーはウエアを細身に仕立て上げるメーカーではあるのだが、もう一回り大きい方が良いと思い、ワンサイズ上のLLを取り寄せて貰う事にしたのだった。
このジャケットは、別に最新のハイテク繊維を使用しているというものでもなければ、大袈裟な仕掛けもないが、きちっと基本を押えた防風、防寒が備えられているし、シンプル、かつ、すっきりしたデザインが非常に好感が持てる。この、鮮やかな赤が、距離を重ね排気ガスで汚れてしまうのがちょっと惜しい気がする.....。

【バイクに求められる防寒ってなに?】
唐突ではあるが、冬のライダーにとっての防寒は安全走行にとっては、とても大切な要素であるのは周知の通り。体や手足が寒さにこわばっていては、スムーズな操作が出来ず安全走行にとっては大きなマイナスである。いや、大袈裟ではなく、命にかかわる事だって有るのだ。
正直に言って私は寒がりである。バイクは大好きで乗るのはとても楽しい。だが、出来れば寒くない方が有難い。しかし、ただ、着込むだけだと、雪ダルマになってしまうだけで体の自由が奪われバイクの操作にとっても好ましくない。
というわけで、結構真剣に効率の良い防寒を考える様になったのである。

さて、そこで、比較の為に車のコクピットを持ち出そう。
言うまでもなく、車のコクピットは暖かい。暖房があるからだろうか?いや、それだけではない。まず、

【1】鉄板とガラスに囲まれ、走行時の風を完全にシャットアウトする事が出来る。
【2】囲まれたキャビンは空気層となり、外界の気温を直接ドライバーに伝えない。
だから、ドライバーはパジャマででも運転出来る事になる。

では、バイクもパジャマで運転出来るようにするにはどうすれば良いだろうか。
【1】【2】に相当するモノをコンパクトにしてウエアに機能させれば良いはずである。
【1】は防風性能を高めれば良いはずである。つまり、ウエア表面が風を通さない素材であれば、良いはずだ。天然皮、ゴアテックス、ナイロンなど、なんでも良いから風を通さない素材であれば良いだろう。
さらに、首まわり、袖口、ウエストまわりなどから走行風が侵入しないような工夫、構造、デザインが必要なのは言うまでもない。
世の中にウエアは沢山あるが、この点をきっちり押えてないと冬のライダーズ・アイテムにはなり得ない。
【2】は、その表面素材の下に、空気層を保つ素材であれば良いはずだ。それこそ、パジャマでも良いだろうが、まぁ普通はフリースとかセーターになるのかな。
ただあまりにも気密だと、蒸れてしまうので、【1】の素材には、風をシャットアウトしながら、湿気だけは適度に通す(通し過ぎると湿度が下がり、結果、体感温度が下がる)という機能が加われば理想的である。転倒時の対摩擦強度なども加味すると、やはり天然皮革のウエアがベストだろう。次はゴアテックスという所か。

これで、ジャケットとパンツに隠れる部分はOKなはずであるし、これ以上を求めるとなると、カイロやら、ガスボンベを背負う事になる。実際そういう製品も有るようであるが、試したことはない。し、あまり期待もしていないので、試す積もりもない。

さて、足は大抵バイク用のブーツ、を履くことになると思うが、これもウエアと同様で、表面素材に風を通す部分があると、寒い。私は冬用のブーツはツルンとしたデザインの、内側にだけジッパーとそれを覆うベルクロのあるハーフブーツを愛用している。これだと、風の侵入する隙間はないので、快適である。
残る、手にはグローブをする事になる。ネイキッドやオフロードに乗っていた時には、冬用として、ゴアテックス表、フリース内張というグローブをしていたが、これは、ゴワゴワして操作性はもう一つである。それに、防寒性はかなり高いと思うのだが、それでも、30分以上走っていると指先が冷えてきて痺れてくる。指先には、空気層が充分とれないため、直接熱伝導で熱が奪われるためであろう。
ということで、グリップヒーターを入れた。断っておくが決して、「手が寒いのはいやだ」という単純な理由だけではなく、より安全性を高める為にスムーズなレバー操作、アクセル操作を補助するという意味でのグリップヒーター装着である。(なんか無理ある?)


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